まず、リースバックを行っている不動産業者の多くは、リースバックの契約期間が終了し借主が退去した後にリフォームやリノベーションを行い、第三者に再販売します。
よほどの築浅物件でない限りは基本的にリフォームを行うため、そのコストがかかる分、一般売却する時よりも価格が安くなるというわけです。
しかしその一方で、リースバックは現金化までの決済スピードが早い・売却後に発生する「契約不適合責任(民法改正前:瑕疵担保責任)」が免責されたり、固定資産税の支払いがなくなるなどメリットも多いため、一概にリースバックで売却すると損をするとは言えません。
「住宅ローンの返済」や「急な資金調達」、「相続対策」、「老後資金の確保」など目的によっては非常に便利なサービスと言えるでしょう。
リースバックで不動産を売却する場合の買取相場は一般的な市場価格の6~8割程度です。
また、リースバックでは家を売却した後に定期借家契約を結び家賃を支払っていくのですが、そのときの家賃は周辺の賃料相場よりも高くなることが一般的です。
売却価格が市場の6~8割程度なのに対して家賃が周辺相場よりも高いとなると何だか損をしている気がしますが、もちろんこれには理由があります。
まず、リースバックの賃料は周辺相場を基準に算出するのではなく、不動産業者の「期待利回り」によって決定されます。(※期待利回りは不動産業者によって異なります。)
リースバックの契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」があります。
どちらも住み続けられるという点に関しては同じですが、契約期間には明確な違いがあります。
普通借家契約の方にメリットが多いように思えますが、定期借家契約は契約期間が決まっている分、普通借家契約よりも家賃を安く設定できます。
リースバック業者の多くは定期借家契約を採用していますが、一部では借主の意向によって普通借家契約または定期借家契約を選ぶことができます。